今回はちょっとした番外編というか…旅日記です。今回ご紹介するのは先日敢行してきました九州旅行。引退を目前に控えるSL人吉の撮影を予定していました。そのなかでも3日目に行った追っかけについてピックアップしていきましょう。
筋
ということでまずは私が乗った列車の時刻表(一部省略)とSL人吉の時刻表を並べたものです。青色で塗られているのが今回乗車した列車、赤は撮影したタイミングです。SL人吉は田原坂は通過しますが目安時間のみ記しておきます。また、ななつ星のみ下りなので注意してください。
熊本―玉名はSLの一本後の列車に乗れれば良かったのである程度自由に撮影地を選べます。そして、玉名で追いつき、発射を見届けます。その後は荒尾で乗り換えを挟みつつ一本後続の普通列車を乗り継ぐことで久留米でSLを追い抜き、鳥栖入線の様子を撮影しました。
田原坂
時系列に沿って感想戦です。まず、SLの撮影に関しては人が少なく落ち着いて撮影をすることができるということを第一優先にしました。そのため熊本―玉名の途中駅での撮影を決意。前日にGoogleMapを駆使して撮影駅を絞り込み、田原坂駅を第一ポイントとしました。以下にこの時点での思考を記しておきます。
峠越え区間がいいなぁ(煙がよく出る)→前日に植木駅までは偵察済でそのときの周辺地形と標識から田原坂という地名からも峠区間ということが考えられる→周辺は森。見通しわるいか?踏切もないし接近に気づけるか不安→ホームの写真を見たうえで問題ないと判断し決定!
そして旅の第一ランナーは普通列車銀水行き(815系)。この一本後の列車(821系)でも良かったのですが、田原坂がイマイチな場合の保険で早めに移動しました。撮影練習もしたかったですし。
「田原坂駅にした判断、非常に良かった。」駅に着くなりこの感想が出てきました。予想通り人が少ないのはもちろんのこと、山に囲まれ落ち着いた風景だったので蒸気機関車とよく合っていました。
ここで同じく撮影しに来ていた方に声をかけてみるとなんと高校の部活!「おがわ」と仰っていたような?先生と生徒さんが撮影にいらっしゃっていました。お話ししているうちになんと「ななつ星」が下りで来るという情報をゲット。写真も見せていただきましたが流石お上手。見ず知らずの私に親切にして頂きありがとうございました。ぜひ愛媛にもいらしてください。
玉名
そしてその方々と別れ後続の玉名行き(815系)に乗り込みます。どうやら田原坂駅から少し北上した地点が峠の頂点のようで坂を下りつつ玉名の町へと颯爽と滑り込みます。ここでSLに追いつき発車の様子を撮影。予想通り人が多く、きれいな撮影はほぼ不可能でした。
ななつ星
そしてここでは事前に頂いた情報をもとに「ななつ星」の到着を待ちます。
登場から11年とは思えない美しさ。よく整備されているのがうかがえます。「いつか乗ってみたい!」そう思いつつ車体の観察。まずはDF200機関車。言わずと知れた(え?知らない?)電気式ディーゼル機関車ですが少々興味深かったのはロールダンパを備えていたこと。これは普通の気動車や電車と違い、機関車の場合は重い要因が台車より高い位置にあるので重心が上昇しロール性能が悪くなっているからだと考えられます。この機関車、「重い」という話は聞いたことがあるのですがこういったところにも出ている可能性があります。
客車は非常にスタンダード…と思いきや高級寝台車にしては意外なところも。車体間ロールダンパ(車端ダンパともいわれる)を装備しているのですが、車体間ヨーダンパは装備していなかったのです。
しかも機関車と客車の間は通常の自動連結器ですが客車間はすべて密着式連結器。これはおそらく発車時の衝撃は密着式連結器にすることで無くし、それにより車体間ヨーダンパ省略できる。車体そのもののヨーイングについては台車のヨーダンパで台車のヨーイングを抑えてしまえばある程度解決できるということなのでしょうね。そもそもの話、車体間ヨーダンパが必要になる事態は非常に少なく、(200km/hを超えない限り)線形の良い本線であれば気になることはまずないです。東海道本線の名古屋―大垣で313系300番台に乗っているときはヨーイングに起因すると思われる独特の横振動が不快でしたが。この話はまたどこかで取り上げます。
鳥栖
脱線したので話を戻して、次は銀水行き(817系)に乗り込み、荒尾で鳥栖行き(817系)に乗り換えます。平坦で急カーブの少ない区間に入るため100km/h超えの運転時間も長く、久留米で快速(笑)SL人吉号を追い抜きます。
鳥栖で撮影して終わり。ホームのかしわうどん美味しかったなぁ。需要とやる気があればこのような旅日記&工学考察を今後もしてみてもいいですね。っていうかSLの工学話してねえな。それではまた次回。
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