今回は鉄系特殊鋼の詳細説明その③です。
マンガン鋼
とある本に瀬戸大橋はマンガン鋼でできていると書いてありましたが最近それには懐疑的です。マンガンを含んだ別の炭素鋼って可能性があるんだよなぁなんて思いながら資料を漁ろうとしたのですが特に記載は無し。よくわからない部分はあります。
クロム鋼、ニッケルモリブデン鋼
よくわからん。
クロムモリブデン鋼
1900年代前半は銃の銃身に使われていたそうですが今はどうなんでしょうね?火薬に含まれる硫黄分で腐食するので空砲発砲後の清掃は非常に重要だったようです。なぜ空砲なのかはまたいつか触れると思いますが、ざっくりいうと、実包発射時に比べ腔圧が小さくなるため未燃焼の硫黄が残るからという認識でよいと思います。現代では自転車のフレーム等に使われるようです。浸炭による表面硬化が可能なことから歯車やクランクシャフトに使用されることもあるみたいですね。
ニッケル鋼
高い靭性を誇り、低温環境下でも脆化しにくいことから、LNG貯蔵タンク等に使用される。
ニッケルクロム鋼
Niを1.0~3.5%、Crを0.2~1.0%含む鋼。耐摩耗性、耐食性に優れることから砲身材料として発達しましたとWikipediaにはあります。しかし、装甲鋼板として開発されて歴史の方が有名ですし、ニセコ鋼、クルップ鋼をはじめとして戦前に開発された有名な装甲用鋼板はほとんどがこの鋼の派生です。クルップ鋼など欧州の優れた装甲鋼板は組織が表面と内部で異なっていたりとかなり凝った鋼板で、性能も高く、往年の軍艦の防御性能を決める指標の1つにもなっており、調べるのは結構骨が折れるものの楽しいですね。
ニッケルクロムモリブデン鋼
焼き入れ性と靭性に優れる。しかも強度と硬度も高い。めっちゃいいやん。ならもっと資料よこせよぉ
ケイ素鋼
ステンの一部と同じく炭素含有量が0です。代わりに少量のケイ素が入っており、透磁率に優れます。そのため、用途は変圧器や電動機の鉄心など磁気関係が多いみたい。音鉄大好き磁励音はこの鋼の性質によるところもあるんだとか。へ~。
超硬合金、工具鋼鋼材
どちらも工作機械において金属を削る「工具」に使用される鋼材です。とにかく硬い。アルミ合金や鋼の切削においては無くてはならない存在なので、この鋼材にお世話になっていない人はいません。
ということで特殊鋼三連続ようやく終わりました。次回は鋼以外の鉄―炭素合金を軽く触れて、鉄系材料はいったん終わりになると思います。それではまた次回。
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