引張とせん断の相性は最悪?
今回は材料についての話。引張とせん断についてです。
実は世の中のほとんどの材料は共通する面白い特性があるのですが、その一つが「引張の強い材料はせん断には弱い」というものです。実はこれ、日常生活の中に溶け込んでいる万能法則です。皆さん、ポテチの袋を開けるときどうします?AとBの主に2種類だと思うのですが、Aの場合はせん断力を加えていますよね。これは袋に使われているプラスチックが引張には強い材料だからです。ではBはどうでしょうか。接着剤というのは基本的にせん断力に強いものです。そのため引張力を加えれば少ない力で開封できます。
ハサミも材料にせん断力を加える道具です。本当に刃で切削をやっているのは美容師が持っているハサミくらいですからね。
そしてこの話、ここで終わらずありとあらゆる部品においてこれを考慮する必要があるのですよ。ボルトの回などで出てくるはずなのでお楽しみに。
マニアに怯むな!
このブログでは毎週工学系のお話をしているわけでして、マニア的な要素も数多くあります。私自身まだまだ勉強不足ではありますが鉄道、航空機、ミリタリーは特に好きで周りからはマニア認定されているような人物なのですが…そんなマニアがとにかく揚げ足を取りたがるのが「名称」及び「呼称」です。
私は伝われば何でもいいと思っている側の人間なのですが世の中にはそれを許さない人が多いのは事実。それを鬱陶しいと思う方もいるでしょうが、しかしこの細かさは「正確な情報の発信」には必要なことが多いのもこれまた事実。
例えば、航空機と飛行機。
航空機は空を飛ぶ乗り物全般を指します。なんなら人が乗れなくとも空を飛ぶことができれば航空機です。厳密にいえば、「日本国内においては」航空法に規定されているものが航空機の認定を受けます。国家や時代により厳密な定義は異なるのですが基本、空飛ぶ機械は大概航空機です。
一方飛行機は固定翼機のことを指します。固定翼機とは翼のある航空機のこと。つまりヘリコプターやドローン、気球等は飛行機には含まれません。
あるいは電車と列車。
電車は電気で動き、なおかつ旅客や貨物を同一車両に積載できる鉄道車両のことを指します。つまり電気機関車は電気で動きますが中に乗客や貨物は載せられないので電車ではありませんし、電気で走っていない気動車や汽車であればそもそも電車ではありません。
一方列車は営業線を走っている列車番号を有する車両および車両郡です。世の中の列車は営業時に列車番号を持っています。番外編―九州旅日記、SL人吉編を見ていただければ「普通列車338M」のように書かれていると思いますが、この338Mが列車番号です。少々分かりにくいかもしれませんが教習車と同じです。教習車には青1号車、2号車とありますが、それぞれの車は個別にナンバーも持っているわけです。このナンバーが車両番号、1号車2号車というのが列車番号と思っていただければ。運用を円滑にするための番号ですね。そのため、1両でも「列」車です。違和感があるかもしれませんがここは割り切ってください。
このように世の中には細かい名称違いが存在し、それぞれに理由があります。しかし、それを知識がない状態で発信してしまうのはある程度仕方ないとして、その揚げ足を取りまくるというのは人としていかがかなと個人的には思うわけです。もちろん近年はそれに対して素直に受け取れない人がいたり、誤った情報のみを意図的に発信し続けたりする人もおり、それゆえの引っ掛かりもあるのかもしれませんが。これを読んでいる皆さんは誤りはすぐに認める、でも鵜吞みにせず様々な媒体で調べてから確固たる知識をつける、そしてインターネットリテラシーを身に着け実践することを忘れないように。教養もそうですが余裕ある「大人」になりたいですね。
コメント