今回から各代の機体について見ていきます。今回はF型の初期モデル。とはいえ初期型は詳しくないのであまり情報はありません。悪しからず。また、AFRP(アラミド)はAF、CFRP(カーボン)はウェットをCF-w、ドライをCF-dとします。
概要↓
後期型↓
Formalhaut(20年の機体)
元祖F型。コロナ禍ということで鳥コンは中止され、テストフライトのみの実施にとどまっています。ただし離陸したことはほとんどなく、機体の飛行時の詳細なデータについては一切残っていません。
駆動
ギアボックスは組み立て式。すべての面をボルトによって組み付ける方式でした。また、天板はクリアファイルとなっているので構造上密閉された箱型とはいえません。これにより回転試験中にギアボ内部の観察が可能で整備性の向上も図れます。
脚
疑似三輪とも呼べる構造です。ただ、昔の三輪自動車が失敗したのと同様に斜め方向に前転する可能性が浮上し、後の機体では完全な四輪構造になっています。また、後方のT字部はトラスが組まれているのが特徴的です。
フレームとの接続部は桁のラジアル方向、即ち機体の前後左右方向は竹輪[注1]で、桁のスラスト方向、即ち機体の上下方向はジュラルミン製の皿で持たせています。ジュラルミン製の皿はCF-dの桁と接着剤で接着されており、念のため、安全バーとして両者を貫通するステンレス棒が一本通っています。
フレーム
万が一うまくいかなかったときのことを考え、DAE型への改造が可能な構造となっています。そのため、フレーム構造そのものはそれ以前のものと大差なく、ギアボックス取り付け部とドラシャカバーを支えるために付加構造物がついている程度です。
電装
一切知らないので何とも言えませんが、エルロンの装備がないので非常に単純なものだったと予想されます。
翼
前述のようにフラップ、エルロンを装備しない単純なもの。17~19代と大きく変わっているところはないはずです。もちろん最外翼(4番翼)と尾翼の翼端部にAFのDboxもついています。
Pleiades(21年の機体)
21年は大会の実施が決定し、先代の思想を引き継いだ「Pleiades」が製作されます。とはいえ21代の人数は非常に少なく、再雇用された20代が主体となっていたため、ある意味20代の2号機ともいえるかもしれません。
駆動
据え置き。言葉のままである。え?どういうことかって?Formalhautの駆動をそのまま使ってるんだよ。
脚
TF脚
Formalhautの反省を生かし完全な四輪構造となっています。T字部分はトラスがなくなり、ラーメン構造となっています。
本番脚
鳥コンに出場したためエアクラ初の引き込み脚を装備することとなりました。詳細は割愛しますが何となくの概要だけでも触れておきます。ワイヤヒンジを採用しており離陸後はワイヤに吊るされるのみなのでブラブラします。引き込み機構そのものは電動ですが、定格の3倍の電圧を無理やりかけてぶん回しています。安全率ってすごいなぁ(遠い目)。
なお本番では引き込みが成功しませんでした。
フレーム
十分飛行可能であるということが判明し、DAE系へのトランスフォームの可能性は完全に消えたため、フェアリングを考慮したフレーム構造、即ち斜めフレームを採用しています。この斜めフレームについてよくある質問が「どうやって組んでいるんだ?」というものです。答えは簡単。気合です。
メインの方はクワガタムシのような見た目に加工し、そこに竹槍加工した斜めフレームを挿し、あとは頑張って結合します。
フェアリング
ここで以前の美しいフェアリングを製造する技術は完全にロストしました。以上!
電装
操縦系の話は一切知らないのでここでは割愛。エルロン装備機だったためエルロンのスイッチが存在しパイロットがそれを押すと操作されるというものだったと思います。表示計はスマホではなく専用のディスプレイに表示する方法で、位置や機体の情報がリアルタイム表示されるようになっていました。
翼
1、2番にAFのエルロンを装備しています。また、主翼端、尾翼端にはAF-Dboxを採用しています。
まとめ
ということで今回はF型の初期型についてでした。テールが上にあったことでTF運用は大変そうでしたがDAEの系譜も感じられる面白い機体であったのは間違いないでしょう。後期型と比較して足回りとの桁接合が楽なのがいいですね。
[注1]
竹輪とは、径の違うパイプ同士の隙間を埋めるスペーサーのこと。ほとんどのチームでは「かんざし」と呼ばれているがエアクラではなぜか「ちくわ」と呼ばれている。なんで?
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